バーモント州(State of Vermont)
(令和6年5月現在)
1.基本情報
- 面積:24,906平方キロ(全米50州中45位)
- 人口:64万7,464人(全米49位,2023年)
- 州都:モントピリア
- 主要都市:バーリントン,ラトランド,サウス・バーリントン
- 州内総生産:431億ドル(2023年)
- 一人当たり総生産:66,463ドル(全米21位,2023年)
2.歴史
州名はフランス語で「緑の山」を意味する。1609年,フランス人探検家サミュエル・ド・シャプランが湖(同人の名前に因んでシャプレーン湖と命名)を発見し,1666年にフランス人が湖上の島に住み着いたのが始まりとされている。
1777年,バーモントは独立を宣言し,奴隷禁止を謳った憲法を起草した。しかし,領土を巡る係争からニューヨーク州がバーモントの連邦加入に反対した為,14年間独立を保ち,1791年に第14番目の州として連邦に加入した。
バーモント州は農業州であるが,起伏に富んだ土地が多く,農業の機械化及び大規模化に適さない為,ウイスコンシン等中西部へ移住した州民も多い。他方,アメリカ初期のシンプルな生活様式を継承した州として親しまれ,同州にセカンド・ハウスを有する州外の人が多い。
3.政治
(1) もともと共和党が強い土地柄だったが、現在では全米で最も民主党色が強い州の一つとなっている。
(2) 連邦上院2議席のうち、民主党が1名,無所属(民主寄り=サンダース議員)が1名。下院は1議席のみで、民主党が保有。
(3) 2020年の大統領選では、前回大統領選に続き、サンダース議員が立候補し、注目を集めた。
(4)2024年5月現在の知事,連邦上院・下院議員,州議会勢力は次の通り。
知事 | フィル・スコット知事(Phil Scott)(共) |
---|---|
連邦上院議員 | バーニー・サンダース議員(Bernie Sanders)(無・民) ピーター・ウェルチ議員(Peter Welch)(民) |
連邦下院議員 | ベッカ・バリンと議員(Becca Balint)(民) |
州議会 | 上院 民主21,共和7,進歩1, 空席1 下院 民主107,共和37,進歩2,リバタリアン1, 無所属3 |
4.産業
州の主要産業は,従来は農業(酪農品,メープルシロップ等),鉱業(花崗岩等),観光サービス業などであった。近年は,家具や機械関連産業の進出がめざましい。とりわけコンピュータ関連産業は同州最大の産業となり,機械産業,食品業,製糸業,木材関連産業等がこれに続いている。また,州内の豊かな自然は多くの人を惹き付け,観光業が盛んである。
5.教育・文化
(1)教育
同州には語学教育で有名なミドルベリー大学,水準の高いバーモント州立大学等がある。
(2)文化
3世紀に亘る米国人の生活歴史を示す民芸品,家具等が展示されているシェルバーン博物館がある他,ウィンザー市には同州工芸家の作品を展示したバーモント州クラフトセンターがあり,ミドルベリー市にはニューイングランド最初の地方美術館であるシェルドン美術館がある。
6.日本との関係
(1)バーリントン市にバーモント日米協会があり,日本文化紹介事業などを行っている。ミドルベリー大学等では日本語講座を開設している。
(2)在留邦人は,466人。(2023年)
(3)進出日系企業
3社(2022年)
(4)姉妹都市関係は,1986年にラトランドと石鳥谷町(イシドリヤチョウ(現花巻市),岩手県),2018年にバーモント州と鳥取県が結んでいる。
(5)対日輸出
2022年におけるバーモント州の対日輸出額は22百万ドルである。主な対日輸出品は,コンピュータ及び電子機器,機械機器(電子機器を除く)。