マサチューセッツ州(Commonwealth of Massachusetts)

2020/8/3

(令和2年8月3月現在)

1.基本情報

2.歴史

マサチューセッツ州は,米国建国の歴史が始まったニューイングランドの中心としての誇りが高く,清教徒の伝統を今に伝えている。
1620年,清教徒がニューイングランド最初の英国移民団としてプリマスに上陸し,これを起源としてボストン,セーラム,チャールズタウンに植民地が建設された。州名は先住民のアメリカン・インディアンの言語に由来し「大きな丘の近く」との意である。
18世紀後半,マサチューセッツは米国独立の気運発祥の地となった。植民地の自治と諸権利を要求する声が強まる中で,英本国の砂糖条例をはじめ一連の対植民地条例に端を発し,マサチューセッツ州は合衆国独立当時の13州の一つとして独立戦争で重要な役割を果たした。
ボストン周辺には,米国最古の大学であるハーバード大学の他,MIT,タフツ大学等多くの高等教育・研究機関が集中し,米国の教育・学術研究の中心地となっている。

3.政治

(1) マサチューセッツ州は、故ケネディ大統領一族と縁が深く、伝統的に民主党が強い土地柄である。リベラルな政治気風を反映して、2003年11月に州最高裁が国内で初めて同性愛者結婚を合憲とする判決を下したほか、2006年4月には全米初の州民皆保険制度導入法が成立した。
(2) マサチューセッツ州選出の連邦議員は上下両院とも全て民主党であり、州議会上下両院においても民主党が圧倒的多数を占めているが、知事は共和党で、ねじれの状況にある。
(3) 現職のベイカー知事はトランプ大統領とは距離を置きつつ、民主党議員とも良好な関係を築いており、全米でもトップレベルの人気を誇っている。

(4)2020年8月現在の同州の知事,連邦上院・下院議員,州議会勢力は次の通り。

知事 チャーリー・ベーカー知事(Charlie Baker)(共)(2019年に選挙)
連邦上院議員 エリザベス・ウォレン議員(Elizabeth Warren)(民)
エドワード・マーキー議員(Edward Markey)(民)
連邦下院議員(2012年に選挙) 第一区 リチャード・ニール議員(Richard E. Neal)(民) 
第二区 ジェイムズ・マクガヴァン議員(James McGovern)(民)
第三区 ロリ・タラハン議員(Lori Trahan)(民)
第四区 ジョセフ・ケネディー議員(Joseph Kennedy)(民)
第五区 キャサリン・クラーク議員(Katherine Clark)(民)
第六区 セス・モールトン議員(Seth Moulton)(民)
第七区 アヤナ・プレスリー議員(Ayanna Pressley)(民)
第八区 スティーヴン・リンチ議員(Stephen F. Lynch)(民) 
第九区 ウイリアム・キーティング議員(William Keating)(民)
州議会 上院 民主34,共和5,  下院 民主126,共和32(無所属1,空席1)

 

4.産業

米国における産業革命は,マサチューセッツ州を中心とする北東部で始まっており,かつては繊維,靴,造船等の産業が栄えたが,近年では,ライフサイエンス産業(医療機器,バイオテクノロジー,医薬品),知識産業(コンピュータ,エンジニアリング,法律,経営コンサルティングサービス,研究機関),ハイテク産業(コンピュータ,通信関連製造業,ソフトウェア産業),金融業(資産管理,ベンチャー・キャピタル,保険,商業銀行),その他製造業等が主要産業となっている。特に近年,州政府はバイオを中心とするライフサイエンス産業に積極的な支援策を打ち出しており,今後の発展が期待される。

5.教育・文化

(1)教育

世界最高水準をいくハーバード大学,MITを筆頭に150を越える大学・高等教育機関を擁するとともに,Boston Latin School(全米最古の公立学校,1635年設立)のように歴史的な重みを有する教育機関などを州内に抱え,名実とも全米の教育の中心となっている。

(2)文化

マサチューセッツ州には,ボストン美術館に代表される有名な美術館がある他,京の町家が移設されているボストン子供博物館,セーラム市のピーボディー博物館等特色のある博物館が多い。

6.日本との関係

(1)ボストン日本協会

ボストン日本協会は,米国にある40以上の日米協会の中でも最も古い協会である(1904年創立)。日米親善交流のため多くの文化的,社会的行事を開催している。1990年7月,日米友好親善交流に尽くしたことを認められ外務大臣賞を受賞し,2003年にはピーター・グリーリ同協会理事長が勲章(勲三等瑞宝章),2019年にはウィリアム・ハント会長が旭日小授賞を受章している。

(2)北海道とマサチューセッツの姉妹都市提携

北海道とマサチューセッツ州は,明治政府が北海道開拓を進めた際に多くのマサチューセッツ出身の米国人専門家が傑出した貢献を行ったとの史実から交流が深められ,1990年,姉妹都市が提携された。2010年は北海道・マサチューセッツ姉妹都市提携20周年で,各種記念行事が行われた。

(3)ジョン万次郎フェスティバル

同州南部のフェアヘブンは,幕末から維新にかけて活躍したジョン万次郎が生活した地(1842~46年)で,同地では1987年に皇太子・同妃両殿下(当時)が御訪問された事を契機に「フェアヘブン/ニューベッドフォード・土佐清水姉妹都市委員会」が設立され,以来今日まで隔年で「ジョン万次郎フェスティバル」が開催されている。

(4)在留邦人数

マサチューセッツ州内に14,309人(2018年10月 在留届ベース)が在住しているが,当地の特徴として,学生,研究者など大学関係者が多いことが挙げられる。

(5)進出日系企業

190事業所(2018年)

業種は,IT,バイオ,科学,金属,金融,運輸など多岐に亘る。

(6)姉妹州・都市関係

都市名 日本の都市 提携年月日
ボストン 京都市(京都府) 1959年 6月24日
メドフォード 延岡市(宮崎県) 1980年 8月29日
ケンブリッジ つくば市(茨城県) 1984年 5月 8日
アーリントン 長岡京市(京都府) 1984年 9月21日
スプリングフィールド 滝川市(北海道) 1993年 8月 7日
フェアヘブン/
ニューベッドフォード
土佐清水市(高知県) 1987年12月 2日
プリマス 七ヶ浜町(宮城県) 1990年10月 3日
セーラム 大田区(東京都) 1991年11月18日
アムハースト 金ヶ崎町(岩手県) 1993年 8月18日
コンコード 七飯町(北海道) 1997年11月15日
マールボロウ あきる野市(東京都) 1998年 11月 03日
グロスター 玉野市(岡山県) 2004年 7月 23日
リヴェラ
マサチューセッツ州
伊達市(福島)
北海道
2016年8月2日
1990年2月7日


(7)対日輸出

2018年におけるマサチューセッツ州の対日輸出額は14億8,700万ドル。主な対日輸出品は,コンピュータ・電子機器,各種製造業製品,化学品,機械機器(電子機器を除く)など。