コネチカット州(State of Connecticut)

令和6年5月15日

(令和6年5月現在)

1.基本情報

2.歴史

コネチカット州の歴史は,ボストンの雰囲気をあまりにもリベラルだと感じる厳格な清教徒達が,マサチューセッツ州よりコネチカット川沿いに1633年に植民を開始した事に始まり,2年後にはコネチカット川沿いにハートフォード,ウィンザー,ウェザースフィールドなどの町が建設された。これらの町はコネチカット植民町として統合され,その年,同植民地において世界で最初に書かれた憲法と言われる「The Fundamental Order of Connecticut」が起草され採択されている。また,独立13州の一つとして米国独立戦争にも重要な役割を果たしている。
更に19世紀に入り,同州は「コルト45」,ウィンチェスターライフルなどの銃器生産地としても有名であった。
同州には,19世紀後半以降にヨーロッパから移民が,第二大戦後にはアフリカ系米国人が移住し,近年ではヒスパニック系移民が増加しており,同州はニューイングランドで最も人種構成が多様である。
また,コネチカット州は国内で個人所得が最も高い州とされてきたが,1990年代に同州に集中する保険業が多額の損害を被るなどして景気が後退してから回復していないと言われ,また大都市では犯罪が多発し,人口流出が著しいなど問題も抱えている。

3.政治

(1) 多様な人種構成を背景として、民主党が優勢な土地柄。現在,連邦議員の全てを民主党が独占。
(2) 2018年の知事選で、知事の交代はあったものの、引き続き民主党が確保。
(3)州経済は低迷し、赤字財政に直面。労働人口の高齢化に直面する中、ビジネスマン出身知事の手腕が問われている。

(4)2024年5月現在の知事,連邦上院・下院議員,州議会勢力は次の通り。

知事 ネッド・ラモント知事(Ned Lamont)(民)
連邦上院議員 リチャード・ブルーメンソール議員(Richard Blumenthal)(民)
クリストファー・マーフィー議員(Christopher Murphy)(民)
連邦下院議員 第一区 ジョン・ラーソン議員(John Larson)(民)
第二区 ジョー・コートニー議員(Joe Courtney)(民)
第三区 ローザ・デローロ議員(Rosa DeLauro)(民)
第四区 ジム・ハイムズ議員(Jim Himes)(民)
第五区 ジャハナ・ヘイズ議員(Jahana Hayes)(民)
州議会 上院 民主24,共和12  下院 民主98,共和53

4.産業

コネチカット州は,かつては大砲やピストル・ライフル等の銃器類,そして時計をはじめとする製造業が進んだ州として知られていた。近年は,エレベータや空調機器等の機械機器,ボールベアリング等の金属製品,原子力潜水艦やヘリコプター等の軍需産業の発達が顕著である。また,昔から保険業の進出も著しく,州都ハートフォードは「米国保険の首都」と呼ばれている。

5.教育・文化

(1)教育

同州ニューヘイブンには,アイビー・リーグの中では2番目に古く,米国内で最高レベルに属するイェール大学や,水準の高いコネチカット州立大学等がある。

 

(2)文化

州都ハートフォードには,銃器産業,保険業からの寄付によって建てられたワズワース・アテネウム美術館があり,ニューヘイブンにはイェール大学構内にイェール大学アートギャラリーがある。

6.日本との関係

(1)グレゴリー・ボイコ日本国名誉総領事がシムズベリー市を中心に活動している。

(2)同州には,州都ハートフォード郊外のプレイビルのコネチカット日米協会とフェアフィールド郡のフェアフィールド日米協会の2つの日米協会がある。コネチカット日米協会は,高校生の日本研修旅行支援や日本語教育支援など教育分野を中心に日本文化普及活動を行ってきている。ウェズリアン大学,イェール大学,コネチカット大学,コネチカット州立大学等に日本語講座が開設されている。

(3)厚木市(神奈川県)とニューブリテン,及び長与町(長崎県)とウェザースフィールドがそれぞれ姉妹都市を結んでいる。

(4)進出日系企業

10社(2022年)

(5)在留邦人は1,599名(2023年)

(6)対日輸出

2022年におけるコネチカット州の対日輸出額は476百万ドルである。主な対日輸出品は,輸送機器,コンピュータ及び電子機器,機械機器(電子機器を除く)など。