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マサチューセッツ州(Commonwealth of Massachusetts)

(平成27年5月現在)

1.基本情報
(1)面積:23,934平方キロメートル(全米第45位)
(2)人口:674万5408人(2014年)
(3)州都:ボストン
(4)主要都市及び人口:ボストン(65万5,884人),ウースター(18万3,016人),
スプリングフィールド(15万3,991人)(2014年)
(5)州内総生産:4627億4800万ドル(2015年)
一人当たり総生産:53,221ドル(全米第6位)(2012年)
2.歴史
マサチューセッツ州は,米国建国の歴史が始まったニューイングランドの中心としての誇りが高く,清教徒の伝統を今に伝えている。
1620年,清教徒がニューイングランド最初の英国移民団としてプリマスに上陸し,これを起源としてボストン,セーラム,チャールズタウンに植民地が建設された。州名は先住民のアメリカン・インディアンの言語に由来し「大きな丘の近く」との意である。
18世紀後半,マサチューセッツは米国独立の気運発祥の地となった。植民地の自治と諸権利を要求する声が強まる中で,英本国の砂糖条例をはじめ一連の対植民地条例に端を発し,マサチューセッツ州は合衆国独立当時の13州の一つとして独立戦争で重要な役割を果たした。
ボストン周辺には,米国最古の大学であるハーバード大学の他,MIT,タフツ大学等多くの高等教育・研究機関が集中し,米国の教育・学術研究の中心地となっている。
3.政治
(1)マサチューセッツ州は,故ケネディ大統領一族と縁が深く,伝統的に民主党が強い土地柄である。州議会上下両院においても民主党が圧倒的多数を占める。また,リベラルな政治気風を反映して,2003年11月に州最高裁は国内で初めて同性愛者結婚を合憲とする判決を下して,全国に波紋を広げた。また06年4月には,ロムニー知事(共)の下で全米初の州民皆保険制度導入法が成立した。同州は,04年民主党大統領候補で現在上院外交委員長を務めるケリー上院議員等有力政治家を多数擁する。ロムニー前知事は08年共和党大統領候補に出馬したが敗戦,12年の大統領選挙にも出馬している。
(2)2015年5月現在の同州の知事,連邦上院・下院議員,州議会勢力は次の通り。
知事  チャーリー・ベーカー知事(Charlie Baker)(共)(2019年に選挙)
連邦上院議員
エリザベス・ワレン議員(Elizabeth Warren)(民)
エドワード・マーキー議員(Edward Markey)(共)
連邦下院議員(2012年に選挙)
第一区 リチャード・ニール議員(Richard E. Neal)(民) 
第二区 ジェイムズ・マクガヴァン議員(James McGovern)(民)
第三区 ニキ・ソンガス議員(Niki Tsongas)(民)
第四区 ジョセフ・ケネディー議員(Joseph Kennedy)(民)
第五区 キャサリン・クラーク議員(Katherine Clark)(民)
第六区 セス・モルテン議員(Seth Moulton)(民)
第七区 マイケル・カプアノ議員(Michael Capuano)(民)
第八区 スティーヴン・リンチ議員(Stephen F. Lynch)(民) 
第九区 ウイリアム・キーティング議員(William Keating)(民)
州議会
上院 民主36,共和4,  下院 民主128,共和31(空席1)
(3)パトリック知事は06年の州知事選挙で草の根キャンペーンが奏功し多数の支持を得て当選し,07年1月,16年ぶりの同州民主党知事,全米史上2番目の黒人州知事として就任し,現在2期目である。パトリック知事はオバマ大統領と近く,08年大統領選挙に際しては予備選挙前にオバマ候補支持をいち早く表明し,活発な応援活動を行った。
4.産業
米国における産業革命は,マサチューセッツ州を中心とする北東部で始まっており,かつては繊維,靴,造船等の産業が栄えたが,近年では,ライフサイエンス産業(医療機器,バイオテクノロジー,医薬品),知識産業(コンピュータ,エンジニアリング,法律,経営コンサルティングサービス,研究機関),ハイテク産業(コンピュータ,通信関連製造業,ソフトウェア産業),金融業(資産管理,ベンチャー・キャピタル,保険,商業銀行),その他製造業等が主要産業となっている。特に最近,州政府はバイオを中心とするライフサイエンス産業に積極的な支援策を打ち出しており,今後の発展が期待される。
5.教育・文化
(1)教育
世界最高水準をいくハーバード大学,MITを筆頭に150を越える大学・高等教育機関を擁するとともに,Boston Latin School(全米最古の公立学校,1635年設立)のように歴史的な重みを有する教育機関などを州内に抱え,名実とも全米の教育の中心となっている。
(2)文化
マサチューセッツ州には,ボストン美術館に代表される有名な美術館がある他,京の町家が移設されているボストン子供博物館,セーラム市のピーボディー博物館等特色のある博物館が多い。
6.日本との関係
(1)ボストン日本協会
ボストン日本協会は,米国にある40以上の日米協会の中でも最も古い協会である(1904年創立)。日米親善交流のため多くの文化的,社会的行事を開催しており,その規模は法人会員数150社,個人会員数約1000名となっている。1990年7月,日米友好親善交流に尽くしたことを認められ外務大臣賞を受賞し,2003年にはピーター・グリーリ同協会理事長が勲章(勲三等瑞宝章)を受章している。
(2)北海道とマサチューセッツの姉妹都市提携
北海道とマサチューセッツ州は,明治政府が北海道開拓を進めた際に多くのマサチューセッツ出身の米国人専門家が傑出した貢献を行ったとの史実から交流が深められ,1990年,姉妹都市が提携された。2010年は北海道・マサチューセッツ姉妹都市提携20周年で,各種記念行事が行われた。
(3)ジョン万次郎フェスティバル
同州南部のフェアヘブンは,幕末から維新にかけて活躍したジョン万次郎が生活した地(1842~46年)で,同地では1987年に皇太子・同妃両殿下(当時)が御訪問された事を契機に「フェアヘブン/ニューベッドフォード・土佐清水姉妹都市委員会」が設立され,以来今日まで隔年で「ジョン万次郎フェスティバル」が開催されている。
(4)在留邦人数
マサチューセッツ州内に15,068人(2014年10月 在留届ベース)が在住しているが,当地の特徴として,学生,研究者など大学関係者が多いことが挙げられる。
(5)進出日系企業
98社(2014年10月現在)
業種は,IT,バイオ,科学,金属,金融,運輸など多岐に亘る。
(6)姉妹州・都市関係
マサチューセッツ州・北海道                 (1990年)
ボストン・京都(京都)                   (1959年)
メドフォード・延岡(宮崎)                (1980年)
ケンブリッジ・つくば(茨城)               (1984年)
アーリントン・長岡京(京都)           (1984年)
フェアヘブン/ニューベッドフォード・土佐清水(高知)     (1987年)
プリマス・七が浜(宮城)            (1990年)
セーラム・大田区(東京)            (1991年)
スプリングフィールド・滝川(北海道)       (1993年)
アマースト・金ヶ崎(岩手)                 (1993年)
コンコード・七飯(北海道)                 (1997年)
マルボロウ・あきる野(東京都)                          (1998年)
グロスター・玉野(岡山県)         (2004年) 
(7)対日輸出
10年におけるマサチューセッツ州の対日輸出額は20億4,458万ドル(前年比  19.1%増)で,日本は第4位の輸出相手国である。なお,日本より上位は英・加・中。主な対日輸出品は,コンピュータ・電子機器,各種製造業製品,機械類など。

 

 

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